【開催レポート#4】作物の土台となる「土づくり」を学び、有機栽培を身近に感じるために自身ができることを考える

第3回プログラムの記事は、以下からお読みいただけます。

【開催レポート#3】落花生やとうもろこしの観察と収穫、流通や食事から考えるワークショップを通した自然の循環システムについて

第4回プログラムは「特別講師 金森昭憲さんによる有機農業レッスン」と「食と農を考えるワークショップ②」

2026年8月22日(土)。山田農園体験プログラム『畑のつち曜日』の第4回目のプログラムが開催されました。

7月に予定していた第4回プログラムでしたが、当日38度を超える酷暑となることが予想され、8月に延期となりました。

2回のプログラムをギュッと詰め込んだため、時間の限られる中での開催となりましたが、畑の観察や、野菜づくりの講師の金森昭憲さんによる「土づくり」をテーマにした有機農業レッスン、前回のプログラムの続きとなる「食と農を考えるワークショップ②」を実施しました。

これまでの身体を動かして学ぶプログラムとはことなり、頭で考える機会が多くなる内容となりました。知識として農業を教わるだけでなく、どう関わっていくのか自身で考えて実装まで落とし込む良い機会になったかと思います。

鹿に食べられてしまった落花生、ソルゴーによる土づくり、生姜の栽培を観察

第4回プログラムでは、畑の作業として落花生の収穫を予定しておりましたが、新芽が生えてきたところでなんと鹿に食べられてしまいました。2mほどの鹿除けの柵を設けているものの、一度口にしてしまった美味しさを忘れられず、なんとしてでもよじ登ってきてしまうそう。ほぼ全滅となってしまった落花生の畑ですが、こうした他の生き物と共存しているからこそ起きることですし、あらためて人間以外の生物や自然とともに暮らしていることを感じる機会となりました。

落花生の新芽を食べられてしまって、作物が育たない状況となりましたが、掘り起こしてみると立派に実を宿した落花生が見られ、思わず食べられそうな見た目に、あと少し持ち堪えれば収穫ができたのだろうと惜しい気持ちでいっぱいです。

隣の畑では、以前とうもろこしを植えた場所でソルゴー(ソルガム)というとうもろこしによく似た作物を育てています。こちらは大量の有機物を蓄えていることから、収穫はせずにそのまま畑の肥料として利用するそうです。茎を2〜3mほど伸ばして成長する姿は、とうもろこしそのものですが、次の作物を育てるための土づくりとして役に立ってくれます。

また、下流の方の畑では、水はけが良い場所を好む生姜を栽培しているのですが、一度育ててみたところカピカピになってしまうのだそう。そのため水やりを定期的に行い、水分量を調整しております。今回のプログラムでは、畑の作業として生姜の水やりを行い、実際に育てている作物と触れる機会となりました。

野菜作りの講師 金森昭憲さんによる「土づくり」をテーマにした有機農業レッスン

畑の観察・作業を終えてからは、特別講師の金森昭憲さんによる有機農業レッスンを開催しました。テーマは「土づくり」と題して、畑作業の基本をご教授いただきました。お話しを伺う中で、生物や科学の内容を掘り下げていく部分が多く、理解に苦しむ場面も多々ありましたが、図解でご説明いただいたこともあり、土づくりの実態について深く学ぶことができました。

微生物が集結した「団粒構造」に水が与えられた時に起きる変化のお話しや、納豆やミミズが持つネバネバした正体の「枯草菌」について、田んぼと畑の違い、堆肥のC/N比(炭素と窒素の含有量)による作物の理想の環境調整など、これから農業に関わっていく方にとって大変有意義な内容をお話しいただきました。

ここまでの内容でも、農業にとって初級から中級あたりのレベル感とのことで、ますます農業の奥深さを痛感する機会にもなりました。一度では覚えきれない内容も多くあったので、今回伺った内容で印象に残っていることを農業の場で実践して、少しずつ身につけていければいいなと思いました。

「食と農を考えるワークショップ②」|有機栽培や農業の実態で見えてきた課題を自分ごとに落とし込む

有希農業レッスンを終えて、休憩したのち、前回のプログラムの続きとなる「食と農を考えるワークショップ②」を実施しました。

前回は、自分たちが普段口にしている食べ物の流通を探るワークショップを実施しましたが、続きとなる形で

  • 有機農業の農地広がっていかないのはなぜか?

  • 有機農業で作った作物が適正な値段で取引されないのはなぜか?

  • 農業人口が増えないのはなぜか?

といったテーマを持って、自身でどういった形で関わることができるのか考える時間を設けました。

実際に農業へ関わりのある方はもちろん、健康を求めて普段から食を意識している方でも、なかなか実態に迫った課題を考えるのは難しい時間となりましたが、「なぜなぜ」と一歩ずつ言及していくことで、今出せる最適な答えに近づいたように実感できたかなと思います。

また、見えてきた課題を具体的にどう解決までアプローチしていくのか、山田農園さんと一緒にできることを考える機会も設けました。

いきなり自身一人で解決を試みようとするのではなく、できる範囲のところから実際に従事されている方と協力することで、自分たちの身の回りだけでなく、地域や日本に暮らす方々の意識を作用していくところまでつながるきっかけとなれば、運営としても個人としても嬉しく思います。

今回は、それぞれ一つのテーマに絞って深掘りを進めていきましたが、また機会を設けて別の課題ではどう関わっていけると良いのか、考える時間を設けられればと思います。

第4回プログラムを終えた参加者さんの声

最後に、第4回プログラムに参加いただいた方の声を一部ご紹介します。

  • 「今までそんな深く考えず、生活していたところでしたが、ワークショップを体験したことにより、有機野菜と野菜の違いや、農業について興味がわき、知りたくなったのでいい機会を頂けました。」

  • 「会社として「いつか畑をやりたい」という話はありましたが、今回のプログラムを通して、具体的な問題点や解決方法について考えることができ、実際に取り組むためのイメージが持てました。」

  • 「レモン畑を数年がかりで計画していたり、獣害や雨の影響についてなど現地で詳しく説明いただき、知らないことや工夫、皆さんの努力を感じられた感動の時間でした。」

第4回プログラムに参加された方の声にあるように、農業従事者によるお話しやワークショップでは、普段野菜を食べている農業に携わらない我々にも関係の深い内容で、これからの生活でも意識の届くきっかけとなりました。

今回ご教授いただいた情報や、自身で考えを深めた内容について、少しずつ農業や生活に取り入れることで自分ごと化を浸透させていければと思います。

早くも残り2回となってしまった「畑のつち曜日プログラム」ですが、これまでに培った知識と知見を改めて振り返り、残りのプログラムも参加者の皆さんと一緒に理解を深めていければと思います。(前田)

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