【開催レポート#3】落花生やとうもろこしの観察と収穫、流通や食事から考えるワークショップを通した自然の循環システムについて

第3回プログラムは「とうもろこしの収穫」「食と農を考えるワークショップ」を実施

2026年6月20日(土)。山田農園体験プログラム『畑のつち曜日』の第3回目のプログラムが開催されました。

当日はあいにくの天気のなかでの開催となりましたが、参加者のみなさんカッパに長靴と、天候にも負けない果敢な姿で臨まれていました。まずは、5月に行われた第2回プログラムの内容を「まなびの記録」を活用して振り返っていきます。前回はとうもろこしの草取りや落花生の種まきなど、畑の作業が中心となり、身体を使って「農」への理解を深めていきました。その体験を通して感じたことを参加者のみなさんで共有する時間となりました。

振り返りが終わってからは、落花生の観察と草取り、とうもろこしの観察と収穫を実施。その後、玉ねぎやジャガイモの保管方法を見学しました。とうもろこしを使った昼食を堪能しつつ、午後からは「食と農を考えるワークショップ」と、1日にわたってみっちりと体験してきました。

落花生の草取り・とうもろこしの収穫|自然に還る、身も心も

第3回プログラムでまず始めに実施したのが、とうもろこしと落花生の観察。とうもろこしは、背丈ほどまで茎が伸びてくれば肥料がたりている証。実の部分にあるヒゲがしなったり、変色してきたら収穫の合図なのだそう。

落花生は、5月に種を植えてから緑の丸い葉っぱがモサモサと生えてきて、その周りに黄色の花を咲かせていました。1ヶ月という短い時間にもかかわらず、種から成長する姿を眺めると、毎度その生命力に驚かされます。同時に周りへ雑草も生えてくるので、作物を傷つけないように丁寧に抜いていきます。雨に降られて土がゆるくなっていたこともあり、10畝ほどあった草取りの作業は、30分ほどであっという間に抜くことができました。

その後は、改めてとうもろこしの畑にもどり収穫を体験。背丈ほどまでに伸びたとうもろこしの茎は、4月・5月と太陽から注がれた光を吸収し、スクスクと育ってくれました。茎を支えながらとうもろこしの実を下に折るようにしてもぎっていきます。この日は一人10本を目安に、計200本を収穫しました。今日採れたとうもろこしは、プログラムの参加者へ3本配られ、残りはすぐカフェに並べられて販売されたり、調理に使用されたりします。ずっしりとした実によって重量を感じた瞬間、自然の恵みと循環の美しさに感嘆しました。

玉ねぎとジャガイモの保管方法を見学|土木の知識を応用した圧巻の仕組み

畑の作業を終えてからは、先日収穫した玉ねぎとジャガイモの保管方法の見学をさせていただきました。玉ねぎの保管について、一般的には紐で吊るして乾燥させていくのが常ですが、山田農園では建設用の資材を用いて大量の玉ねぎを一気に乾燥させる仕組みが採用されていました。本来、一つひとつ紐で括って壁に吊るす作業は手間と労力がかさんでしまいますが、建設用の資材を応用することで、作業の効率化を実現されており、山田農園ならではの取り組みに感服いたしました。

ジャガイモの保管では、冷蔵庫が用意され、徹底された温度管理と光の遮断により、品質の維持がなされていました。美味しさを保つための技術にも、山田農園のこだわりを感じました。

採れたてのとうもろこしを使った昼食

午前のプログラムを終え、待ちに待った昼食の時間。この日は、お弁当を用意していただき、旬のとうもろこしを使ったミネアサヒの混ぜご飯、ピザポテトにズッキーニ。オクラとインゲン。ミートボールとチキン。たまごサラダと盛りだくさんのメニューに加え、朝自分たちで収穫したとうもろこしをその場で焼いていただき、1本丸ごといただきました。

とうもろこしには、味付けをせず、焼いただけの状態で食したのですが、ツヤツヤと光る粒一つひとつに甘味がぎゅっと濃縮されており、素材本来の美味しさを味わうことができました。

「食と農を考えるワークショップ①」前半|自分たちが食している栄養バランスを見つめなおす

お昼休憩の後は、交流会や収穫祭と合わせて全4回実施する参加者間の交流を目的とした特別プログラムの一つ「食と農を考えるワークショップ①」を実施しました。ワークショップでは、畑の作業だけでは分からない食べ物と生活のつながりや社会の仕組みについて考え、自分たちが事業や個人の暮らしの中でできる改善や工夫を考えていきます。今回はその一回目。個人ワークとグループワークを通じて自分たちの普段食べているものや、それらと自分たちのつながりを考えてみました。

前半のワークショップでは、昨日1日で食べたものを書き出した後、農林水産省のウェブサイトに掲載されている「食事バランスガイド」を使って栄養バランスをチェック。普段何気なく選んだり作ったりしている食事ですが、あらためて考えてみると「主菜が多く副菜が全然ない」「マック、コンビニでもバランスは取れているけど、良くない気がする」「野菜を一つも食べていなくてびっくりした」など、もっとこうした方がいいんじゃないかというようなことや、食べ過ぎているかもと思っていたけど案外問題ないということにも気が付きました。また、バランスはいいけど痩せない。とか、腸活と思って意識していたけどそうするとバランスは悪い。など、「食べ物を選ぶ」という行為の中にも様々な要素が絡み合っていることにワークを通じて気が付くことができました。

「食と農を考えるワークショップ①」後半|食べ物はどこから来て、どこへ出ていくのか

後半は、6つのグループに分かれ前半で書き出した食べ物の中から料理を一つ選んで、それがどこからきてどこへ行くのかを調べ、そのつながりを図にしながら書き表していきました。

自炊したメニュー(海鮮スープとピーマンの肉詰め)を選んだ2チームは、国内の食材が多くでできていたのに対し、外食や冷凍食品メニューを選んだチーム(マグロユッケ丼やハンバーグ)は食材が海外から調達されているものが多かったり、国内でもさまざまな経路を通じて手元に届いていたり、もしくはどこから来たのか分からないというチームもありました。

遠方から調達すればその分輸送コスト等がかかるはずなのに、価格が決して高くないという点も含め、いろいろな側面で違和感を感じるポイントでした。そして圧巻だったのが、山田農園さんに書いていただいた今日のお弁当がどこから来た材料で作られたかという図。肉を除くすべてのものが岡崎市どころか近隣の畑(田口町や高隆寺町の畑)でご自身で育てられたものであり、卵を産む鶏の飼料まで原材料を追うことができました。やろうと思えば、あれだけおいしいお弁当も手の届く範囲で作ることができるのだと実感しました。

そして最後は、グループワークで見えてきた社会の課題やもっとこうなったらいいなと思うことから、そのために自身や自社で挑戦したいものを決めました。遠くから食材が来ていることを知ったチームからは、市内でも生産されいている食材もたくさんあるのだから「冷凍ハンバーグが市内食材のみで作ることができないか考えてみたい」という意見、料理中にでる野菜くずを可燃ごみとして処理すると燃やす際にたくさんの燃料を使うことに気が付いたチームからは、「料理の時に出る生ごみを減らすことで、エネルギーの消費を少しでも減らしたい。」さらに、食材がどこからきているのか追い切れなかったチームでは、自分の事業に置き換えたときも使う材料がどのようなもので、処分がどのように行われているか開示されていた方が会社として誠実なのではないかと気が付き「見えるか化」に取り組んでいきたいという意見がでました。次回は、それぞれのチームが決めたテーマから自分たちが取り組んでいく内容を具体的に考えていきます。


今回のワークショップを通じて、参加者によって食に対する意識が大きく違い、その違いが食べるものに反映されていることを改めて目の当たりにしました。また、自炊することは食材選びをすることでもあり、産地や製造方法を意識するきっかけになるということにも改めて気が付きました。そこから社会の課題に紐づけて考えるのが少し難しく手が止まるチームがありました。「社会課題」とは、特定の個人の問題にとどまらず、社会全体の影響をおよぼしている問題の事。遠い世界の話ではないのですが、「物価高」や「地球温暖化」といわれると、その原因がなんなのかが分かりづらく、自分たちとのつながりが遠くなってしまうようです。今回、食材がどこから来たかを紐解いたように、社会問題の原因もどんどん紐といていくと、解像度が上がり、自分たちの生活とつながっているという意識を持ちやすくなるのかもしれません。次回以降も、各チームがもっとこうだったらいいな。と、未来をよりよくするためにどうしたらいいかと考える時間を大切にしながら、どんなアイデアが生まれ、それがどう実現されていくのかを楽しみに進めていきたいと思います。

第3回プログラムを終えた参加者さんの声

最後に、第3回プログラムに参加いただいた方の声を一部ご紹介します。

  • 「とうもろこし畑で、トンボがカメムシを食べてくれる。農薬を使ってるとトンボが来ないって聞いてびっくりしました。」

  • 「山田農園のとうもろこしは市場に出ている2倍の大きさ!!実際に食べてみたらとても甘くて、1本ペロリと食べてしまいました。」

  • 「お米の籾殻を貯めている場所に驚きました。飛んできたものを確保して、お馬さんにお願いし、またお米が育っていくいう、循環が素敵だなと思いました。」

実際に植えた種が成長し、収穫に至るまでのプロセスを体験できる貴重な機会になりました。自分たちの手で直接触れることで、恵みのありがたみを実感できるとともに、農業関係者の皆さまへの畏敬の念がつきません。

また、ワークショップを通して自身の身の回りに起きているサイクルを可視化することができ、まなびの多い時間となりました。

肉体と脳を使って異なるアプローチから食や農について体験でき、今後の生活にも取り入れていけるよう意識の変化にも繋がりました。(前田・石原)

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